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カウンセラーブログ

『産後に夫婦の危機!?尾道市の炎上ニュースから思うこと』

赤ちゃんの手

 

福岡夫婦問題相談室 ワイズフェアリー 夫婦問題カウンセラー 玉井洋子です。

 

広島県尾道市役所が妊婦向けに配布した文書が批判されているというニュース(日テレ)をみました。

 

批判の的となったのは、妻のこういう態度や言葉が嫌だったという尾道市内の先輩パパ100人アンケートランキング

 

【妻のこういう態度(言葉)が嫌だったランキング】

 1位 わけもわからずイライラしている、少しのことでイライラして当たられる

 2位 赤ちゃんの世話で忙しく、家事ができていない

 3位 何もしてくれない、子どもの面倒を見てくれない

 

【妻にしてもらってうれしかったことランキング】

 1位 「家事」

 2位 「育児」

 3位 「マッサージ」←ここが炎上ポイント

 

【妻にしてもらいたいことランキング】

 1位 「何をしたらいいのか、言葉ではっきり具体的に言ってほしい」

 2位 「今のままでよい、十分やってくれている」

 3位 「家事をそれなりにやってほしい」

 

【妻に言われて嬉しかった言葉ランキング】

 1位 「〇〇をしてくれてありがとう」(皿洗い・おむつ替え・ミルク作りなど)

 2位 「お仕事お疲れ様」

 3位 「〇〇してくれてありがとう」(赤ちゃん抱っこ・家事を…など)

 

SNSでの声は、

 〇ママを追い詰めるために配っているのか

 〇産後は身体がつらくて体力なんてないのに、夫の世話までしないといけないのか

 〇参考にしたら育児ノイローゼになりそう

と怒りの声が相次いだそうです。

 

尾道市の平谷祐宏市長はSNSで謝罪し、文書配布を中止。

 

妻向けに配布されたチラシに書かれていたこと。

【夫のこういう態度(言葉)にイラッとしたランキング】

 〇妊娠中

  1位 飲み会や趣味を優先させる

  2位 重いものを持ってくれない

  3位 家事を手伝ってくれない

 〇出産後

  1位 あくまでもマイペース

   〇赤ちゃんが泣いてもスマホやめない

   〇忙しくてもゆっくりご飯を食べる

  2位 忙しさを察してくれない

   〇言わないとしてくれない

   〇1つのことしかしない

  3位 いちいち(育児や家事に)指図する

 

 

実はこのアンケート、市が2017年度に父親約100人に実施し2018年に配布。そのまま現在まで配布し続けていたという顛末。

 

男性脳と女性脳の違いがあることに注目し、夫婦円満を促そうとこのようなアンケートを取り、結果をチラシにしたようです。

 

最後に書かれていたのは、

 

 大切なことは、お互いの違いを理解し、うまく役割分担することです。

 お互いに協力し合う気持ちを持つことが、子育てを楽しむコツです。

 

良いことが書かれていると思うのですが、前段のアンケートが台無しにしてしまっていると感じます。

 

どうしてこのようなチラシを配布したか・・・

 

妻の産後の夫への愛情の冷え込みを問題視したようでした。その視点は悪くなかったと思いますが、 

今回の炎上ニュース、私が考える問題点としては

 

〇妊娠・出産は妻がするものなのに、何故夫側に重きを置いたアンケートを取ったのか

長年カウンセリングを行ってきて、男性脳・女性脳については、私も一定程度関係性はあると感じています。

ただ、このチラシから「夫はこんな風に考えているので理解してあげて」と妻に訴えることによって夫婦円満でいてほしい。
と言いたい印象。

これって逆だと思います。

心身共に変化が著しくなる「出産」。まず、大役を果たしてくれた妻をサポートするのは夫であるわけですから、その視点を大切に考えたアンケートを取り、夫側へ『産後クライシス』を含めた妻の変化を知ってもらうためのチラシであれば何も問題はなかったはず。

今回の炎上ポイントである「妻にしてもらって嬉しかったこと」の3位である「マッサージ」についても全く逆!!。

産後疲れている妻をマッサージする夫の姿こそ「妻への思いやり」を感じられた内容になったのではないでしょうか。

残念過ぎました。

 

〇やっつけ仕事をしなくてはならなかった背景

行政職員の方が、5年前からのチラシをチェック・改訂もせずに時代にそぐわないまま配布し続けたこと。

業務が多くて仕事が回らなかったり、人員不足だったり、慣例だったりがあったのかもしれません。

『とにかく作って配布しなくちゃ』と思って作られたとしたら、大変残念なことだと思います。

担当した方がどうこうではありません。組織の問題だと思うのです。

本当に夫婦円満のために、また、出産したママのことを思うのだったら、もう少し内容を吟味できたのではないでしょうか。

夫婦と赤ちゃん

 

出産後、パートナーへの愛情が減少するということについては、私のところへの相談にも多くあります。

産後クライシス(後述)のようにホルモンバランスが崩れることで起きる現象によって、夫婦間に溝が生じてしまうことも少なくありません。

 

二人の愛情の結晶である子ども。

生まれたことによって喧嘩が絶えないなどということは、ものごとを客観的に見れていないということでもありますし、

 『何を大切にしないといけないか』

の視点がずれていると感じます。

初めての育児で余裕が持てないのは当然だと思います。

お互いを大切に思う気持ちがあり、きちんとパートナーと意思疎通ができていれば、大きな喧嘩にはならないはず。

夫婦カウンセリングでは、コミュニケーションの重要性をお伝えしながら、改善のアドバイスをしています。

ここ数年、感じることは、「妻と一緒に育児をしたい」という夫が確実に増えているということ。

夫の育児休業申請について、企業も認めなければならない時代なので意識は高くなってきています。

 

仕事も家事・育児も二人でやる

 

これが当たり前の時代になってきていますが、それぞれの家庭の事情によって、分担内容や分担量は異なります。

「我が家」なりの、そして「二人が」納得できるものを創りあげてほしいと願います。

 

大切なことは『笑顔が絶えない家庭』を築くことです。

笑顔マーク

 

≪参考≫

 

『産後クライシス』―妻が出産を終えてから数年の間に、互いへの愛情が急に冷めたように感じて夫婦仲が悪化する現象

 

産後クライシスの主な症状チェックリストがありました。(MY COOP styleより)

 <妻向けチェックリスト>

 ・些細なことで夫にイライラするようになった

 ・感情がうまくコントロールできず、攻撃的になってしまう

 ・夫婦の会話や一緒にいる時間が減った

 ・夫との触れ合いが苦痛に感じる

 ・夫への愛情が冷めたように感じる

 ・夫が家事・育児に非協力的に感じる

 

 <夫向けチェックリスト>

 ・最近妻がいつもイライラしていて、家でくつろげなくなったと感じる

 ・妻と口喧嘩が絶えず、普段の会話が減った

 ・妻が子どもにかかりきりで、自分は放置されているようで不満を感じる

 

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